空売りは合理的なのか

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こんにちは。
Kabuloveです。

世界3大投資家と言われる人達がいます。その3名とは、投資業界では一般的に下記の3名を指しています。

  • ウォーレン・バフェット(Warren Edward Buffett)
  • ジョージ・ソロス(George Soros)
  • ジム・ロジャーズ(Jim Rogers)

今年の1月、米誌ウォール・ストリート・ジャーナルが伝えたニュースが証券界を沸かせました。上に挙げた投資家のジョージ・ソロス氏が昨年11月の米大統領選でトランプ氏が勝利して以降、大方の予想に反して大幅な株高となったことで10億ドル(約1100億円)もの巨額の損失を出した、と報じました。

世界3大投資家の1人で、本日時点での個人資産総額が252億ドル(約2兆8500億円)、かつて大英帝国繫栄の象徴と言われた「イングランド銀行」を潰した男との異名もとる大物投資家が何故それほど巨額の損失を出したのでしょうか(とは言っても資産額の4%程度ですが…笑)。

同紙によれば、ソロス氏は大統領選後に株価が下落すると予想して投資戦略を立てました。しかし、実際にはトランプ氏の経済政策に対する期待感が市場の予想に反して高まり、連日株価が高騰する「トランプ相場」が始まってしまい、大きな損失を出してしまいました。

空売りとは

念の為、概念的な説明としてWikipediaから下記引用します。

空売り(からうり、: short selling)は、投資対象である現物を所有せずに、対象物を(将来的に)売る契約を結ぶ行為である。商品先物外国為替証拠金取引でも用いられる用語だが、差金決済を前提としたこれらの市場では売り買いとも「空(から)」である事が前提であるため端的に売りショートと呼ぶことが多い。対象物の価格が下落していく局面でも取り引きで利益を得られる手法のひとつ。「信用売り」「ハタ売り」も同義語である。

Wikipediaより引用

簡単に言うと株価の下落に賭ける戦略です。

ジョージ・ソロス氏がとっていたスタンスはまさにこの空売りです。

現物の株式が手元にないのに「売る」ことができるのは、その投資家が株式を保有している人から借りてくるからです。株式を借りてきて市場で売り、株価が下がったところで買い戻して、その株式は元の借りていた人に返す。株価が1000ドルの時に借りてきて市場で売り、800ドルに下がったときに買い戻せば手元に200ドルが残り、これがその投資家の利益になるわけですね。

これは、信用取引の1種です。

空売りの合理性を問う

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結論から言うと、空売りは長期的な資産形成を目指す上で合理性のある投資法とは言えないというのが私の考えです。

これは堅実な長期投資で資産形成を目指す方であれば大方が同じように認識されているとは思います。

長期投資をする上で、「空売り」に合理性が無いと思う理由はざっとこんなところです。

  • 短期的な相場タイミングを予想して「賭ける」行為なのでそもそも長期投資に向かない
  • 読みが外れた時の損失額が青天井(現物株式買い持ちは最悪でも0)
  • 株式の本質的価値よりも心理的な潮流による暴落などを読まなければならないのでロジックが働かないことが多々あり、それを読むには並外れた洞察力が必要
  • 大きな資金でやらないとあまり意味がない(イメージでは最低1000万円くらい)
  • 大きな資金でタイミングを読む「投機的」な「トレード」であり、限りなくギャンブルに近い

ところが、「投資で儲けた人は皆空売りで儲けている」と信じて疑わなかったり、「上げる時のスピードより下げる時のスピードの方が速いから短期で大きく儲かる、空売りだ!」と信じ切っている方をたまに見かけます。実は私自身も、過去そう思っている時期がありました。

確かに上げる時より下げる時のスピードの方が速いことは一般的には事実なのですが、問題は「それがいつ起こるのか」をどう予測するかであり、そんなことはハッキリ言ってプロでも分かりません。現に世界3大投資家と言われるソロス氏でさえ見誤って大損するわけです。情報力の圧倒的に劣る個人が上がる下がるを予想することは、それこそコインの表か裏かを話しているのと変わらず、一言で言えば投資というよりは「コイン投げゲーム」みたいなものになるわけですね。

資本主義社会における株式会社というのは、その企業に期待をかけた投資家から資金を調達して独自の事業を行い、それによって生み出される経済的付加価値の対価を顧客から受け取ります。その対価によって生み出された利益・キャッシュフローを再投資したり配当で還元することによって、会社の持ち主である株主の手元にある株式の価値が増殖していくというメカニズムを持っています。

そのため、株式投資では長期的な目線で行うのが最適解となるわけですね。現に米国の代表的な株価指数であるS&P500指数は、1957年に組成されて以来右肩上がりなんですね。これは、株式会社が何か、株式とは何かが理解できていると特段驚くべきことではないんですね(日本は不運にもこの30年を失いましたが)。

一方、空売りという「作業」は要するにそれに反する行動になるわけです。短期的であっても流れに逆らう作業なんですね。

大衆とは逆のポジションを取って大きな利益を狙うスタイルを「逆張り」と言います。英語では逆張り投資をする人のことをコントラリアン(Contrarian)と言います。

コントラリアンであること、逆張りを意識することは普通の現物株式・長期投資を堅実に行う人でも重要なことではあります。相場が悲観的になりきってどこを見渡しても弱気になっているときこそ後から見れば最高の買い場となってきたことは歴史が証明しています。そして株はできるかぎり安値で買うのが鉄則です。

しかし、空売りはコントラリアンであることは確かにそうなのですが、それにしてはリスクが高すぎます。上の箇条書きの中にあった「損失は青天井」がその理由です。天井圏だと思っている株式は時にそのまんま雲を突き抜けるようにスルスルと上昇することがあります。これは、そういう勢いの乗った銘柄であるからこそ故です。

つまり、元々そういうリスクの高いところで戦うこと前提にしているわけなので、いきなりストップ高にでもなったら目も当てられません。次の日に泣く泣く高額で買い戻しを強いられるのが関の山です。また、大きく上昇する際は同じ空売りポジションのトレーダーが次々に買い戻しますから、その勢いでさらに勢いを増して上昇しがちです(これを踏み上げという)。その時の勢いはハンパなものではありません。

また、「空売り」、「逆張り」というのはとんがっていて何となくカッコいい知的なイメージがあることも、盲信させる要素になっている可能性があると個人的には思います。

日本でも2015年に公開された、マイケル・ルイス原作のノンフィクションでアダム・マッケイ監督によって映画化された「マネー・ショート」は飽和したサブプライムローン関連債権などの金融商品の危険性に着目した投資家が空売りで大儲けすることを描いた映画ですが、何となくカッコよく見えてしまうものです。サブタイトルも「華麗なる大逆転」とある通り、要するに「逆張り」で市場を打ち負かすみたいでクールなんですね。

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私の感じる空売りの唯一のメリット

私が思う空売りのメリットはこの1点です。

「リスクヘッジ」です。

例えば、現物株式で複数の株式を持っており長期目線で堅実に利益を増やせると現状考えているものの、目先短期的に相場の急落・暴落がありそうだと思うとき、あるいはそういう指標を自分なりに確認している時に株式指数に連動するETFなどを空売りしておくことで損失を最小化するというケースです。

市場全体が何らかのリスク(例えば北朝鮮の核、テロなどの地政学リスク)を感じて急落・暴落する時には、業績だ何だは関係なく下がります。しかも結構下がります。そのような時に指数に連動するETFなどをある程度空売りしておくことで実際にそうなった時の保有現物株の損失を最小化できます。

ただ、実際には現金ポジションを余裕をもって確保しておくことができれば、何もこんな手法を使わないでも大きく下がった時に買い増したり、他の銘柄を新規に買い付ければいいわけなので、そもそも空売る必要はないかもしれません。

まとめ

堅実な長期投資を行う上で空売りは合理的ではないというのが結論です。

ただ、随所で使い方によっては有用性も出てくるので上で挙げたようなリスクヘッジを目的とした利用が中心になるでしょう。

投資は「手段」であって「目的」ではありません。

色々な投資の「手段」を試してみたり、勉強してみたりすることは非常に効果的だと思いますが、堅実な資産形成を目的とする場合は、その目的を見失ってはいけません。

自分にも日々言い聞かせていきたいと思います。

ではでは。

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