勝てるROE投資術 広木隆 【書籍紹介】

スポンサードリンク

こんにちは。
Kabuloveです。

マネックス証券チーフ・ストラテジスト、広木隆氏の著作「勝てるROE投資術」をご紹介させて頂きます。

広木隆さんはStockvoiceにもたびたび登場する私の好きな経済アナリストさんの一人なのですが、ことこちらの著書には大変お世話になりました。

本書は、日本株の投資を始めてからしばらく経った後に読んだ本で文字通り「ROE」という指標が持つ意味やその重要性について幅広く解説されています。

今でも、ときどき手に取って復習しています。

最近は日本企業の間でも「ROE向上!ROE向上!」と叫ばれています。
企業の決算発表資料などを見てもROEの推移を見せたり、ROE目標を掲げたりと日常的に耳にします。

もちろんROE向上は大事な経営施策の一つですが、日本の大企業の経営者でも本当にROEの持つ意味や構造を理解している人は実はあまり居ないような気がします。

広木さんはその実は複雑難解で一見とっつきにくいROEについて非常にシンプルに、コアな部分を本書で解説されていると思います。

ROEは日本株、米国株、新興国株といった国境など関係なく、株式投資をする上で避けては通れない非常に重要な指標の一つと言っても過言ではありません。

そもそもROEとは

ROEとはReturn On Equityの略で日本語では「自己資本利益率」と言われるのが一般的です。
以下、広木さんの解説を引用します。

Returnは「見返り」、Equityは「株式」のことであるから、ROEとは、ざっくりいえば「株主が出資したおカネに対するリターン(見返り)」という意味である。

つまり、自己資本に対してどのくらいの利益があったのか。
その会社は株主から集めたお金を使ってどれだけの利益を得ることが出来たのか。
これを比率(%)であらわしているのがROEです。

例えば、ある企業A社の自己資本が300億円、その企業の当期利益が30億円とすると、

A社のROE=30億円÷300億円×100=10%ということになります。

式からわかるとおり、一般的にROE(%)の数字は高い方が良いとされています。
つまり、小さな資本(分母)で大きな利益(分子)を稼ぐ会社というのは素晴らしいわけですね。

広木さんの説明によれば厳密には「自己資本」の定義はもう少し修正が必要(純資産額から新株予約権や少数株主持分を引くなど)ですが、一般的にはそこまで考える必要はありません。

概ねの数字を知るのが私たちの目的なので単純にバランスシートの自己資本と当期利益を見て計算すれば十分です。

まとめると、ROEとはすなわち「いかに効率よく経営できている会社なのか」という経営の効率性をあらわしている数字と言えます。

日本株のROEの低さ、米国株のROEの高さ

スポンサードリンク



広木さんは本著で以下の事実を指摘しています。

  • 日本株(東証1部)のROE:8.6%
  • 米国株(主要500社)ROE:15.2%

 

米国株のROEは実に日本株の倍近いんですね。

私は、この日米のROEの差を知った時に愕然としました。

併せて広木氏はこの日米のROEの差は主に利益率の差から来ている、と述べています。

本著内で詳しく解説されていますが、ROEとは利益率総資産回転率財務レバレッジという3要素の掛け算で構成されています。

細かい説明は省きますが、総資産回転率、財務レバレッジについては日米間でそれほど差が無いのですが利益率に大きな差が出ています。

日本株の利益率が4.1%、米国株の利益率が9.6%です。
倍以上の開きです。

広木さんは「日本企業は本業の利益率が圧倒的に低いため、低ROEに甘んじている」と述べています。
補足的に、「日本株が儲からないのは日本企業が儲けていないせいであると言える」とも述べています。

米国株投資移行に向けて、後ろから背中を思い切り突き飛ばされた感じがします。

ROEが抱える自己矛盾、高ROE株は儲からないという事実

この辺が本著の奥深いところなのですが、広木さんはROEが抱える自己矛盾や高ROE株は儲からないという事実についても述べています。

「え、ROEは高い方が良いんじゃないの?矛盾してない?」

一般的にはROEが高い企業は良い企業(儲かる事業)である事は間違いないのですが、その会社に私たちが投資(株式を購入)して儲けられるか、という話になると「儲からない」のが答えだそうです。

実際に高ROE~低ROEを5つの銘柄グループに分けてを行ったところ、低いROE銘柄に投資をした方が高いROE銘柄に投資をした時よりリターンが高かったというバックテスト結果も掲載しています。(本著94ページ参照)

理由として、

  1. 高ROEの企業の株は既に買われていることが多くてバリュエーション面で割高になってることが多い
  2. 一般的にROEは平均回帰性があり、高いROEは低く、低いROEは高くなっていく性格を持っている
  3. 高ROE企業が利益を内部留保すると自己資本(上の式の分母)が増加して将来的にROEの低下を招く

ことなどが考えられるということです。

ROEは単体では銘柄の評価に使えるわけではなく、PERやPBRなどの関連指標との複合的な評価によってその本質が理解できるということです。

ちなみに、

PBR=ROE×PER

という式も成立します。

高ROE銘柄は一般的に高PBR、低ROE銘柄は一般的に低PBR銘柄とも言えて、ROEは直近の値が高いことが重要なのではなく、将来的に「どれだけ改善するか」という事の方が株価に影響を与えると説いています。

その他、ROEはその安定性が大事で自己資本比率、売上高成長率、売上高営業利益率などが高いという要素が組み合わさると理想的である、とも述べています。

まとめ

ROEは銘柄を見る際に重要な指標の一つですが、他の指標と同様で、それ単体で意味を成すものではなく、あくまでもPERやPBR、利益率や財務政策、配当などと並行してみることでその本質が分かってくるということですね。

著書の中では、配当政策などの株主還元(リターン)に関しても触れています。

米国株のROEが総じて日本株のそれよりも高い、しかもかなり高いという事実は米国株投資を行っていこうとする者にとってはとても大きな後ろ盾になるという感覚を持ちました。
すなわち、米国企業は儲かっている、しかもそれを継続している。

ROEという言葉は知っているけれども、中身はよくわからない、でも興味はある。
そんな方におすすめです。

ではでは。

Kabulove

 

米国株のブログランキングサイトです。米国株投資初心者からエキスパートの方まで参考になるブログが盛りだくさんです。

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

スポンサードリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です